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掲載日:2026-09-29 / 研究

ヒノキの香りと睡眠の研究2件を比較|木部と根、試験条件の違い

2026年、ヒノキ精油の香りと睡眠などを扱う研究が二つ公表されました。どちらも『ヒノキ』ですが、使った部位も参加者も比較する相手も違います。香りの研究を生活にどう読み替えるか、まず試験の条件を比べます。

発表日:2026-09-11 / 一次情報確認日:2026-09-29

高齢者の試験では何を比べたか

AEAJなどの研究は健康な高齢者を対象に、ヒノキ木部の精油と単一成分のα-ピネンを比べました。約4週間にわたり朝晩に香りをかぐ条件で、睡眠や心理状態の尺度を調べています。公表資料はヒノキ精油群の変化を報告していますが、無香料群を置いた試験ではありません。

比較相手も香りのある成分なので、ヒノキの香りを使うこと自体が無香料よりよいかは、この試験だけでは答えられません。参加者の属性や試験期間も限られ、病気の治療効果を調べた研究ではありません。

香川県産ヒノキの根を使った家庭内試験

九州大学などの研究は35~60歳の女性12人を対象に、香川県産ヒノキの根から採った精油と、香りのないスクワランを比べました。各条件を2週間ずつ試す家庭内の単盲検クロスオーバー試験で、睡眠の自己評価、脳波、スマートウォッチの記録を集めています。

論文は一部の自己評価や脳波指標の違いを報告しています。ただし少人数の予備的な試験で、測定環境も家庭です。根から採った精油の結果を、一般に販売されるヒノキ木部精油の結果として扱うことはできません。

生活に取り入れる前の読み方

研究には香りの好み、使う時間、部屋の換気など、日常では揃えにくい条件があります。睡眠への関心を持つきっかけにはなりますが、『ヒノキをかげば眠れる』という意味ではありません。眠りにくさが続く場合は香りだけに頼らず、医療機関に相談してください。

二つの研究の条件を見比べる

研究対象と材料比較条件読み方の注意
AEAJなど健康な高齢者・ヒノキ木部精油α-ピネン(香りあり)無香料との比較ではない
九州大学など35~60歳の女性12人・ヒノキ根精油無香料のスクワラン少人数のパイロット試験

研究を読むときに確かめたいこと

  • 植物名が同じでも、抽出部位と成分は同一と決めつけない
  • 比較相手が無香料か、別の香りかを確認する
  • 研究対象・期間・測定方法を超えた健康効果を断定しない

一次情報

学術論文と研究機関の解説を確認できます。見出しにある『改善』は研究条件下の報告で、一般の睡眠への効果を確定したものではありません。

日本アロマ環境協会・筑波大学・東京慈恵会医科大学:ヒノキ精油とα-ピネンを比較した研究(論文)

AEAJ:高齢者を対象にした研究発表(PDF)

Journal of Wood Science:香川県産ヒノキ根精油のパイロット研究

九州大学:ヒノキ根精油の研究解説

香りと安全について

精油は製品の表示どおりに使い、原液を肌に塗らないでください。香りが負担になるときは使用を中止し、換気しましょう。睡眠の不調が続く場合は専門家に相談してください。

最終更新日:2026-09-29 編集:アロマテラピールーム編集部 組織監修:DropNote